デザインにおけるエビ(海老)


エビ(海老)は、「海のおきな」と呼ばれ、不老長寿の象徴とされ、瑞祥ずいしょう(めでたいことが起こるという前兆)の意味でデザインに用いられてきました。

デザインにおけるエビ(海老)

「エビ(海老)」の漢字は本来「えび」と書きます。

エビの特徴でもある長いヒゲや腰の曲がった姿から、海のおきな(海の老人)という表現がされるようになり、「海老」という漢字が当てられるようになったと考えられます。

平安時代中期の貴族で歌人の大中臣能宣おおなかとみのよしのぶの家集である『能宣集よしのぶしゅう』には、エビが「海の翁」という記述があります。

「或所よりえびを召したるが、侍らねばあるままに十九奉るに、ただならむよりはとて、世の人はうみのおきなといふめれどまだはたちにも足らずぞありける」『能宣集よしのぶしゅう

江戸時代には、海老文様として染織品のデザインに用いられていました。

江戸時代に作られた帷子かたびら「白麻地網目と注連縄に海老文様」には、写実的な海老の姿が描かれています。

参照:文化遺産オンライン「帷子 白麻地網目と注連縄に海老文様」

家紋としても、海老は図案化されています。

明治時代のかすりには、祝儀物と海老を配した模様(文様)が多く織られました。


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