ファッション・服飾におけるキュロット(culotte)


ファッション・服飾におけるキュロット(culotte)とは、一見すると大きいヒダのあるスカートですが、実際には股の間が縫い付けられて二股になっています。

キュロット(culotte)は「スカート風」の半ズボンというべきもので、「キュロットスカート」、「パンツスカート」(スカートパンツ)」、「ディバイデッド・スカートdivided skirt」などが同義語になります。

ファッション・服飾におけるキュロット(culotte)

キュロットCulotte de cycliste, 1995.122.X(2)

キュロット,Culotte,(「スカート風」の半ズボン),サイクルパンツ,Anonyme, CC0, via Wikimedia Commons,Link


15世紀ごろに西欧の男性の正式衣服であった半ズボンは、「オー・ド・シュース(haut-de-chausees)=上部の脚衣(ズボン)」や「ブリーチズ(breeches)=腰衣)と呼ばれていました。

これが変化したものがキュロットで、比較的ぴったりと体に密着するような半ズボンでした。

キュロットは、王侯貴族や富裕階級を意味するファッション・服飾だったのです。

彼らは、下層階級の人々を「キュロットをはけないもの」を意味する「サンキュロット(sans-culotte)」と呼んで嘲笑あざわらっていたのです。

フランス革命(1789年〜1799年)で、革命家たちはサンキュロット(sans-culotte)というバカにした呼び方(蔑称べっしょう)を逆手に取って、自らをサンキュロットと称し、労働者などの衣服である長ズボンを象徴しました。

キュロットを履いているものは、王制派とみなしてギロチン(弾頭台)に連れて行かれました。

このため、特権階級の人々はあわててキュロットを脱いで、長ズボンであるパンタロン(仏:pantalon)にはき替えたのです。

この結果、キュロットは歴史の表舞台からは退きましたが、1880年ごろから女性のサイクリングなどが盛んになり、それに適するようにゆったりと動きやすい形で「キュロット」の名前で復活しました。

20世紀に入ってから、スポーツで着用するパンツとしてよく用いられるようになりました。


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