吾亦紅は、日本各地の高原や草むらの日当たりの良いところに自生しているバラ科の多年草で、アジアやヨーロッパの北半球に広く分布しています。
茎が直立しており、約1mの高さに生長します。
夏から秋にかけて茎の先端が枝分かれし、その長い枝先に黒紅紫色で、小さい花が密集し、桑の実に似たような形になります。
漢名では、地榆、玉豉などと言いますが、中国の本草学史上において分量がもっとも多く、内容がもっとも充実した薬学著作である『本草綱目(1596年刊)』には、「葉が楡に似て長く、生えたばかりには地に匐い布くものだから地榆と名付けた」また「その花、子が紫黒色で豉のようなところから玉豉と名付ける」とあります。
そんな特徴的な花を咲かす、吾亦紅の染色における利用や薬用効果、歴史について紹介します。
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