「腰機」というのは、縄文や弥生時代には始まっていたとされ、原始機(弥生機)や「地機」などと呼ばれてきた機のことで、織り手の腰で経糸を引っ張って張る機の総称です。
この原始的ともいえる機の歴史は、中国の長江(揚子江)下流域のかぼといせきからは、数千年以上前の部品と思われるものが出土しています。
染織技法における腰機(こしばた)
日本には、稲作と共に古いタイプの腰機がもたらされ、その後、新しいタイプが入ってきて、江戸時代までに広い地域で使われるようになりました。
東アジア、東南アジア、中南米などでも伝統的に使用されてきた腰機は、現代においても古い形態のまま使われることもありますが、安定して効率よく織れるように改良されたタイプも存在します。
古いタイプの腰機は、とてもシンプルな仕組みで、高機のように場所を取らず、織らないときは小さくまとめておけます。
花織は、このような初期の腰機で織られ続けてきました。
織り手と糸や布との一体感が強く、緩い状態で織るため、経糸の操作が自由で花織も織りやすく、織物自体の風合いもやわらかいイメージになります。
【参考文献】
- 『月刊染織α1994年4月No.157』
- 『月刊染織α1994年6月No.159』