赤は、それを見る人に動的な感じを与え、暖かみを与えるような色合いです。
赤は、中国では五色の一つとされていました。
古く中国では、青(藍)、赤(朱)、黄、白、黒(玄)の五つの色を「五色」としており、五色は、正色とされ、その中間の色を「間色」として、間色は正しくない色であり、聖人君主は用いる色ではないとしていました。
赤(あか)とは?
赤と称した中国古代の赤色は、最初は赤土(せきど)であり、やがて現れたのが茜染めの赤です。
茜染めの赤は、黄色味のある赤色で、これは「朱(あけ)」とも呼ばれ、「朱衣」という衣服の名称も出てきています。
『論語』に、「紫の朱を奪うを悪む」と出てくるのは、紫染めが茜染めを圧倒し、孔子が五色の赤ではなく、間色の紫が喜ばれたのを嘆いたと考えられます。
天然の朱(あけ)が発見されて、これを「朱砂」と名付けられたのは、砂の黄色が混じったように、黄色味のある赤だったからと考えられます。