紅花(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁を植物染料にします。
秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。
紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。
一斤染(いっきんぞめ/いっこんぞめ)とは?
紅花染は、非常に退色しやすいという特徴があります。
紅花で薄色を染める場合は色落ちしやすく、紅花に含まれる紅色素の量も非常に少ないため、できる限り何回も染め重ねて堅牢度を高くしていくことが基本となります。
紅花で染めた淡い色合いが、一斤染(いっこんぞめ)と言われていました。
一斤染という名前の由来としては、紅花一斤(180匁・約675g)で、絹織物の2反分(一匹・疋)を染めたものという意味でこの名前があります。
『延喜式」の「中紅花」色の程度の淡い紅色で、「桃花色」よりはやや淡く、「桜色」よりやや濃い程度の色が一斤染で染めた色合いとなります。
紅花で染めた色合いで、最も濃い色を「韓紅花」と呼び、もっとも淡い色を「退紅」などと呼ばれます。
『延喜式」の韓紅花は、綾一匹(約360匁・1350g)に紅花10斤が使われています。
関連記事:染色・草木染めにおける紅花(べにばな)。薬用効果や歴史について