奈良で生産された麻布(奈良晒)

織物の経糸に糊付け(経糊)する理由

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織物を織る前の準備段階で、経糸にのり付けする工程や、経糸につける糊自体を「経糊たてのり」と言ったりします。

織物の経糸に糊付け(経糊)する理由

織物用の経糸は、織布の工程において、かなりの張力や摩擦を受けます。

そのため、経糸に事前に糊付けする理由としては、織布の工程における物理的な張力や摩擦に対する抵抗力を与えるためです。

その他にも織物の表面に毛羽が出るのを抑えるためにも、経糊たてのりが効果的です。

糊付け(経糊)に使用される糊の種類

糊付け(経糊)に使用される糊はデンプンで、いも糊、小麦粉、米デンプン、とうもろこしデンプンなどが用いられてきました。

一般的には、柔軟剤や吸湿剤、防腐剤、増量剤などが配合されます。

絹糸などには、布海苔ふのりやゼラチン、生麩しょうふなどが用いられ、毛糸類には布海苔、にかわ、片栗粉などが特に用いられました。

糊付け(経糊)する方法

糊付けする方法としては、かせの状態のまま行うものや、工場などでは整経した後に糊が含まれる浴槽に通して、乾燥させるいわゆるサイジング(sizing)と呼ばれるものがあります。

その他には、一本ずつ糊の中に通す「糊壺」と呼ばれるものや、経糸を機台の上で糊付けする機糊(前糊)と称するものなど、さまざまな方法があります。

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