熨斗文(のしもん)

デザインにおける熨斗文(のしもん)

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現代において、熨斗のしと聞くと、結婚式などの祝い事の際に贈る祝儀や贈答品の包装の上から右肩に添えてある飾りのことイメージするかと思います。

もともと熨斗のしという言葉は、不老長寿の象徴とされた貝の鮑(アワビ)の肉を薄く伸ばして干した加工品である「熨斗鮑のしあわび」に由来します。

熨斗鮑のしあわびを紙の間に挟み、贈答品に添えることで、相手の繁栄や延寿えんじゅ(長生き)の意味が込められました。

この熨斗鮑のしあわびを文様化(模様化)したものが、「熨斗文のしもん」です。

デザインにおける熨斗文(のしもん)

熨斗文のしもんは、日本の伝統的な吉祥文きっしょうもん(めでたい意味が込められた模様)として「長寿」や「繁栄」、「慶び」を象徴する縁起の良い柄として使用されてきました。

熨斗文のしもんは実際にあわびが描かれるのではなく、細く束ねてひらひらとした形で装飾性が高められたデザインになっています。

江戸時代には、婚礼衣装や振袖、帯などに盛んに熨斗文のしもんが表現され、吉祥文きっしょうもんの代表的なものとして扱われていました。

染織品だけ陶磁器や漆器、蒔絵まきえなどの工芸品のデザインにも用いられています。

熨斗文のしもんとして有名な作品としては、江戸時代中期に作られた「紋縮緬地熨斗文友禅染振袖もんちりめんじのしもんゆうぜんぞめふりそで」が挙げられます。

熨斗文を使った家紋(熨斗紋)

熨斗文のしもんは、「熨斗紋」として家紋にも多く用いられてきました。

例えば、輪の形に熨斗を連ねた「熨斗輪のしわ」や熨斗を数本まとめて束ねたデザインの「束ね熨斗」、蝶や鶴などの動物、扇や矢などの道具、桜や菊などの植物に熨斗のしを加えた家紋などさまざまです。

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