デザインにおける恵比寿天(えびすてん)


七福神しちふくじんのうちの一つの神様である恵比寿天えびすてんを模様化(文様化)したの(恵比寿文えびすもん)は、古くからデザインに取り入れられてきました。

七福神とは、大黒天だいこくてん毘沙門天びしゃもんてん恵比寿天えびすてん寿老人じゅろうじん福禄寿ふくろくじゅ弁財天べんざいてん布袋尊ほていそんの七つの神様の総称です。

デザインにおける恵比寿文(えびすもん)

恵比寿天,FMIB 41199 Ebisu, the Fish God of Japan, Having a Red Tai

恵比寿天,Charles Frederick Holder, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

恵比寿天の風折烏帽子かざおりえぼし狩衣かりぎぬ指貫さしぬきを着用し、右手に釣り竿、左手にたいを抱えた姿がデザインとして古くから用いられてきました。

明治時代の絵絣えがすりには、たいにまたがる恵比寿天など、たいと組み合わせた素朴なデザインが多く作られました。

男物の襦袢じゅばん(和服の下着)の模様(文様)などに、多く用いられました。

七福神中で唯一の日本の神様である恵比寿天とは?

七福神の中では唯一の日本の神様であり、いざなみ、いざなぎの二神の第三子といわれます。

恵比寿天は満三歳になっても歩かなかったため、船に乗せられ捨てられてしまい、やがて漂着した浜の人々の手によって手厚くまつられたのが、信仰のはじまりと伝えられています。

漁業の神様で、商売繁昌の神様としても信仰が厚いです。

七福神に対する信仰は、仏教経典の「仁王経にんのうぎょう」に「七難即滅しちなんそくめつ七福即生しちふくそくしょう」の言葉があるように、七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われていました。

七福神の信仰は、室町時代末期の頃から生まれ、農民、漁民の信仰として成長し、現代でも七福神巡りなど、人々に親しまれています。


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