七福神のうちの一つの神様である恵比寿天を模様化(文様化)したの(恵比寿文)は、古くからデザインに取り入れられてきました。
七福神とは、大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の七つの神様の総称です。
デザインにおける恵比寿文(えびすもん)
恵比寿天の風折烏帽子に狩衣、指貫を着用し、右手に釣り竿、左手に鯛を抱えた姿がデザインとして古くから用いられてきました。
明治時代の絵絣には、鯛にまたがる恵比寿天など、鯛と組み合わせた素朴なデザインが多く作られました。
男物の襦袢(和服の下着)の模様(文様)などに、多く用いられました。
七福神中で唯一の日本の神様である恵比寿天とは?
七福神の中では唯一の日本の神様であり、いざなみ、いざなぎの二神の第三子といわれます。
恵比寿天は満三歳になっても歩かなかったため、船に乗せられ捨てられてしまい、やがて漂着した浜の人々の手によって手厚く祀れたのが、信仰のはじまりと伝えられています。
漁業の神様で、商売繁昌の神様としても信仰が厚いです。
七福神に対する信仰は、仏教経典の「仁王経」に「七難即滅、七福即生」の言葉があるように、七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われていました。
七福神の信仰は、室町時代末期の頃から生まれ、農民、漁民の信仰として成長し、現代でも七福神巡りなど、人々に親しまれています。