型染めにおける地張りから糊置きまでの工程については、以下のような流れとなります。
目次
型染めにおける地張り(じばり)
地張りをするための接着剤は、スプレータイプのものがあったりと手軽に購入することができます。
もともと地張りに用いられていたのは、お米をやわらかく煮て作った糊(姫糊)です。
長板やベニア板(厚さ9mmほど、長さは作品に応じて)の上にあらかじめ薄く姫糊(お米をやわらかく煮て作った糊)を引き、乾かす作業を何度か行うことを地張り(下張り)と良います。
地張りの作業の良し悪しで、型付けの出来不出来が決まるともいわれました。
布を板に張る際に、板の表面に塗った糊を湿らすことで、接着力を戻すことができます。
板に張る際の注意点としては、シワが寄らないようにするのは大前提として、生地が平らにまっすぐに張る必要があります。
平らにするために、生地の上を堅い木の棒でこすっていった作業を「地ばい」といったようです。
手で張り付ける場合は、手のひらで布をこするようにして行います。
糊置き前の布の下処理
藍染に適しているのは染まりやすい木綿か麻で、水を一滴落とした際にすぐに浸み込む布を使用することがポイントです。
藍染で染める前に布を水に濡らしますが、水を弾いてしまう布だと、事前に浸透させるのが難しいです。
染める際も型染めなので布を揉むことができず、綺麗に染まりつかない可能性があります。
水に浸透しない布の場合は、事前に糊抜きや精錬をする必要があります。
型染めにおける糊置きの方法
型置きに使用する型紙は、使用する二時間前には水に浸しておきます。
型紙に水分をしっかりと含ませるのは、型紙に水分を含まれると、乾いている状態と比べると縮むためです。
水から引き上げた型紙は、新聞紙の間などに挟み、上からタオルなどで押さえて水分を完全に拭き取ります。
型紙の上に一滴でも水が残っていると、糊を型紙にのせた時に、その水を糊が吸って柔らかくなり、糊が型紙の裏にまわったりします。
型紙の準備ができれば、布の上に静かに位置を定めて型紙を置き、糊をヘラですくい取り、型紙の上にのせ、型紙に彫られた模様をうっすらと覆う程度に均一に糊をおきます。
型置きができれば、型紙の端を対角に持ってゆっくりとやや引っ張り気味に両方から、もしくは片方は押さえたまま一方から上げていきます。
型置きができたら、布を板から外し、乾燥させます。
型紙は、傷つけないように大事に扱い、柿渋を塗り直して、場合によっては補強もします。
型染めした布を藍染する
藍染をする前に、布の一方の耳に伸子を掛けて、布を横に吊るすようにして水に浸します。
乾いたままの生地をそのまま藍の液体につけてしますと、染めムラにつながる可能性が高くなるためです。
布が完全に水を吸収したら水から引き上げ、余分な水が切れるまで吊るしておきます。
藍液につける
布が垂直に藍液に浸かるように、液中にゆっくりと静かに入れていきます。
3分〜5分ほど浸けておいてから、布をゆっくりと引き上げ、10分ほど空気に晒して酸化させて発色させます。
好みの濃度まで布を藍液に浸けて、酸化させる工程を繰り返しますが、回数を重ねるうちに糊が流れるリスクが高くなるため、注意が必要です。
濃く染めるために、ある程度染めてから一度乾燥させて、再度染めたりします。
乾燥の際にシワがつくと、染めムラにつながるため、注意が必要です。