蓼藍(タデアイ)

草木染めに使用する材料が乾燥しているか、採取したばかりのものかの違いについて


草木染めを行う際、乾燥保存してある材料を使用して染める場合と、採取したばかりでまだ乾燥していない植物を使用して染める場合とで大きく2パターンあります。

草木染めの原料の状態

原料が乾燥している利点としては、春夏秋冬、どの時期でも染められるという利点があり、乾燥して保存しておくことで、良い色や違った色を得ることができる植物もあります。

染料店で販売しているものは、基本的には乾燥しているものがほとんどです。

自身で植物を採取し、乾燥保存する場合は、一般的には植物が最も繁殖している夏などの時期に採取します。

タンニンを多く含む植物の樹皮や芯材などは、乾燥に適しており、乾燥しているものとしてないものとでの色の差は少ない傾向にあるようです。

乾燥する際、束にできるようなものであれば、根元を下に向けて吊るし、材木などは風通しの良い場所でじっくりと陰干しします。

直射日光の元で短時間で乾燥させたものは、再び湿気を帯びやすく、場合によっては色がくすむなど変化があるようです。

採取したての生の植物で染める場合、多めに材料を使用して一気に煮出し、時間をかけずに染色、媒染して発色させることで、しっかりとした色を染めることができます。

「木」に属するものは、生でも乾燥していてもあまり変わらないものが多いですが、「草」に属するものは生の方が冴えた色に染まる傾向にあります。

草木染めの美しさ

草木染めは、色合いには単一の色を表現しているように見えても、さまざまな色の色素や成分が混じり合ってその色を表している点です。

江戸時代には、「四十八茶百鼠しじゅうはっちゃひゃくねずみ」という言葉があったように、「茶」や「鼠」のつく色名が大量に生み出され、使う染料によってさまざまな色合いの色を表現できるのも草木染めの魅力です。

草木染めにおいては、美しく透明感のある色ほど、その色持ちは短い傾向にあり、しっかりとした茶色や黒茶色ほど安定感があります。

紅花で染めた紅色は、藍の生葉で染めた透明感のある水色は、すぐに退色してしまいます。

黄色の場合は、透明で綺麗な黄色ほど弱く、茶味や赤味を帯びた黄色ほど色持ちの良い傾向があります。


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