呉服とは、和服用の織物の総称で、特に絹織物を指します。
呉服(ごふく)の由来
呉服は、中国は朝鮮半島から渡来した古代の織物や、伝わった技術で作った織物のことを表しました。
当初は「呉服(呉織)」と書いて、「くれはとり」と読んでいたようです。
呉服(ごふく)は、平安時代からは、音読みで「ごふく」というようになったとされます。
「呉」は、中国の長江以南の地、およびそこにあった国である「呉」からとされます。
「くれはとり」の「くれ」は、古代国家で朝鮮半島の「高句麗」(紀元前1世紀〜紀元7世紀)からとされます。
「くれはとり」の「はとり」は、「機織り(はたおり)」という意味です。
呉服としての絹織物と絹以外の繊維でできた太物(ふともの)
もともとの呉服の意味としては、「絹の着物」を表し、木綿織物や麻織物を「太物」と呼んで区別していました。
現在では、呉服の中でも特に木綿織物や麻織物を「太物」として区別することはあまりありません。