木綿の原種に近いものとして、茶綿(ちゃめん)と呼ばれる品種があります。
木綿の原種に近い茶綿(ちゃわた)

メキシコで織られた茶綿(ちゃわた)の生地
茶綿(ちゃめん)は、文字通り、自然に茶色の繊維ができる綿花のことを表し、アフリカからユーラシア大陸、中南米と世界中どこでも見られます。
日本においては白い綿花が海外からもたらされ、栽培されるようになったのと同じように茶綿も栽培されるようになったと考えられますが、白い繊維の方が商品価値が高いとされ、歴史的には茶綿はほとんど栽培されなくなりました。
最後まで栽培していた産地としては、出雲や鳥取県の弓浜地方だったとされます。

茶綿(ちゃわた)を用いて、縞柄に織られた生地
茶綿だけの糸で無地に織られるのは比較的少なく、白い木綿や染められた糸を交えて、縞や格子柄に織られるのが一般的でした。