鍋島緞通 蟹牡丹唐草文 縁七宝繋ぎに小雷文

織物における緞通(だんつう)

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緞通だんつうは、敷物の一種で、語源は中国語の毯子(ダンツー)を音訳したものです。

織物における緞通(だんつう)

緞通だんつうは、長尺物の絨毯(じゅうたん)と区別し、方形または長方形の一枚物をいいます。

イランに始まり、中国を経て、日本には室町時代に伝わったとされます。

元禄げんろく年間(1688年〜1704年)に、佐賀郡扇町の農家に生まれた古賀清右衛門が長崎で中国人から緞通の技術を教わり、「扇町毛氈もうせん」として織ったのが、日本最古の綿緞通と言われる「鍋島緞通なべしまだんつう」の発祥となっています。

そこから技術が伝播した「堺緞通」、「赤穂緞通」なども緞通の産地として知られてきました。

江戸時代から明治時代前期に作られたとされる木綿製の敷物である「鍋島緞通なべしまだんつう 蟹牡丹唐草文がにぼたんからくさもん 縁七宝繋ぎに小雷文ふちしっぽうつなぎにしょうらいもん」には、美しい蟹牡丹文かにぼたんもんが表現されています。

緞通を織るのに用いられる織機

緞通だんつうを織る織機は、縦糸を垂直に張り、横糸を通して織る竪機たてばたです。

地緯糸を打ち込み、次にパイル糸を意匠紙の文様(模様)に従い、地経糸二本に対して一本ずつ絡めて結びつけ、次の地緯糸を打ち込んでいきます。

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