雀(すずめ)は、古くから絵画や染織文様などに用いられてきました。
太った雀の子や、寒さを防ぐために全身の羽毛をふくらませてふっくらと見える雀は、「ふくら雀」としてデザインに多く用いられます。
デザインにおける雀(すずめ)・雀文(すずめもん)・ふくら雀

ふくら雀・雀文(すずめもん)が彫られた伊勢型紙
「ふくら雀」は冬の情景として表現されることも多く、「ふくら」が「福良」という言葉とつながり、縁起が良いとされたことから雀の模様は多くが「ふくら雀」の形で表現されてきました。

ふくら雀・雀文(すずめもん)が彫られた伊勢型紙
雀は他の模様(文様)と共に表現されることが多く、「竹に雀」や「稲穂に雀」、「鳴子(防鳥用の農具)に雀」、「瓢箪に雀」などさまざまな例があります。
『宇治拾遺物語』に入る説話である「腰折雀」の話から、瓢箪と雀がセットで描かれました。
日本のおとぎ話の一つである「舌切り雀(したきりすずめ)」にちなんだ模様は、子供の衣装に多く用いられました。
絣の織物の絵絣では、可憐なデザインが多く表現されてきました。
紋章としては、伊達家が「竹に雀紋」を使用していたことで知られています。