ファッション・衣服を選ぶ際や、実際に着用する場面において、機能性の観点から理解しておくと良いポイントがあります。
ファッション・衣服の機能性
目次
衣服の吸湿性(きゅうしつせい)
衣服の吸湿性(きゅうしつせい)とは、衣服がどれだけ湿気を吸収するかを言い表します。
人間の体からは多量の水蒸気が発散されますが、これは肌着で吸収されて外部に放散されます。
衣服の吸湿性は適度なのが良く、過度になると不快感が生まれます。
衣服の吸収性(きゅうしゅうせい)
衣服の吸湿性と似た性質に、衣服の吸収性があります。
これは発汗する際に、衣服に吸収して外部に放散し、吸湿の時と同じように温度調節の役割を果たします。
外衣や雨や雪で濡れた場合に衣服で吸収・吸湿が起こるのは、内衣では体表面から不感蒸泄や汗のためで、外衣は吸収性の小さいものがよく内衣では吸収性が大きく、適度な速度で水分を放散するものが良いとされます。
肌着から上に着るものに向かって、どのような素材や繊維の衣服を重ねて着用するかによって、衣服が水分を吸収し吸湿する程度を調整することができます。
衣服の空気層(くうきそう)と保温
衣服を重ねて着ると、それぞれの衣服の空間に空気層ができます。
これは人体を保温するためには、非常に重要な要素です。
着物などの和服では、一般的に空気層は大きく、暖かく感じる傾向にあり、洋服は空気層が小さく、和服に比べると暖かさが少ないとされます。
しかし、実際には衣服を着用している際には、常に一定の空気層を保持することは非常に難しいです。
人体と衣服を密着させた時は空気層はゼロで保温性は非常に小さく、空気層の暑さが5mm〜15mmのとき保温性が最も大きいとされます。
これよりも空気層が大きくなると、空気の対流で熱が失われていき、保温効果が減少します。
衣服の熱伝導性(ねつでんどうせい)
衣服の熱伝導性は、衣服の保温性や防暑性に対して大きな影響があります。
冬は熱伝導性の小さいもので、夏は大きなものが体温調節の面からは良いです。
毛織物や綿入れの服、ネル生地などのかさ高性のある織物の保温性は、空気の熱伝導度が小さいことによります。
衣服の通気性(つうきせい)
織物の生地の密度が高く、地厚なものほど通気性は悪い傾向があります。