ファッション・服飾用語において、「アンサンブル(ensemble)」という言葉があります。
ファッション(服飾)におけるアンサンブルは、「調和、均整」に重点があります。
アンサンブルとは、組み合わせて着ることを前提としてつくられた衣服のことを表し、コーディネートした衣服が「揃っている」という意味に用いられます。
アンサンブル(ensemble)とは?
語源はラテン語の「insimul/insemul(一緒に・協力して・同時に)」で、フランス語において「アンサンブル(ensemble)」となりました。
「アンサンブル(ensemble)」の意味としては、以下のようなものが挙げられます。
- 一緒に、共に、協力して、一致して
- 全体、総体、全部
- 統一、均整、調和
- 一揃い、一組、一式
上記の意味から、家具や調度品などの一式、音楽では合奏、合唱などを表します。
演劇において「アンサンブルシステム」といえば、役者、踊り子、歌手などによる総合的な舞台効果を持った劇団編成を言います。
ちなみに、花形役者や人気歌手だけを押し出した劇団編成を「スターシステム」と言います。
英語には、フランス語の「アンサンブル(ensemble)」がそのまま入り、1425年ごろに「全部一緒に、同時に」という意味で文献に初出し、①(調和のとれた)一揃いの衣服②(芸術作品などの)全体的効果③音楽の合唱、合奏などの意味になっています。
ファッション(洋服)におけるアンサンブル(ensemble)
ファッション(洋服)において、生地や色を共通するものをそろえれば「アンサンブル」というわけではありません。
同じ素材や同じ織り、編み組織、同じ色の共布で作られた衣服がアンサンブルとも限りません。
衣服や帽子、装飾品や靴、鞄、さらには化粧など、すべてが調和し、均整が取れた美しさが「アンサンブル」として表現されるのです。
別々の素材、組織、色であっても、共通性を持たせればデザイン的に統一された「アンサンブル」ということにもなります。