タイのチェンマイに生きた染色家、瀧澤久仁子。


すでに亡くなられた方ですが、タイのチェンマイで染色家として活動していた、瀧澤久仁子(たきざわくにこ)さんという人がいたという話を聞きました。

タイで古くから行われていた黒檀染め(こくたんぞめ)も、おこなっていたそうです。

滝澤さん、そして黒檀染めについて、詳しくまとまっているサイトがありました。

引用:アジアのかたち

タイには昔、墨染め屋があって、古くなった衣服の黒檀での染め直しを業としていた。藍染と同様に、古くから伝わり、庶民の間に深く入り込んでいた染めであったようだ。しかし、今は殆どすたれて再現は容易ではなかった。

黒檀はカキノキ科で、「マックルア」と呼ぶ実は、柿の実に似た形で直径1.5 ~2.5 センチと小さい。収穫は11月頃である。黒檀の実による染色は、滝沢さんの話しによると次ぎの通りである。

・実を甕に入れて水に浸しておくと2週間くらいで緑色の実が黒っぽく発酵してくる。これを寝かせておくと色相が深くなり、茶味を帯びた色が出るようになる。
・発酵した実を臼でつぶす。始めは白っぽいが、酸化すると黒く変化していく。
・これをざるに入れ、「PH8-10」の灰汁の中につけて、よく揉み染料を抽出させて漉す。
・布又は糸をつけ込むようにして約1時間、これを絞って太陽にあてる。これを15回くらい繰り返すことで黒っぽい色になる。
・染色後は色落ちするので一晩水に浸けてから水洗い。
・更に明礬(みょうばん)と塩を少し入れて一晩寝かしてから水洗いして干して出来上がり。
染め上がった色は黒く、またこげ茶で、この両者が溶け合って深い色合いになる

黒檀染めというものがあるのは知らなかったので、すごく興味深く思いました。

文中の瀧澤さんが語ったとされる言葉にも、惹かれるものがあります。

「布にたずさわってかれこれ四十数年、風土や生活スタイルを考えるうちに、服をつくることがミニマムなデザインの衣をつくることに変わり、この衣に通じる布を求めてモンスーン・アジアの風の道に沿ったチェンマイにたどり着いた気がいたします」

滝澤さんがたどり着いたチェンマイ、そしてそこでおこなっていた黒檀染め。実際に現地にいき、彼女がなにを想い活動していたのか、思いを馳せてみたくなりました。


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