藍の華

「手を染める」の語源・由来とは?「手を染める」の語源は、藍染からきている説について


「手が焼ける」、「手持ち無沙汰」、「手中に収める」など、「手」にまつわる慣用句はたくさんあります。

「〇〇に手を染める」という使い方も、「手」にまつわる慣用句のひとつです。

「染める」は「初(そ)める」?

NHK文化放送研究所のWebサイトにて「気になる放送用語」として、「手を染める」の語源についての記述があります。

参照:「足を洗う」?「手を染める」?

このサイトには、「染める」は「める」と同じ語源であるという説が紹介されていました。以下、一部引用します。

一方「手を染める」のほうは、諸説ありますが、この「染める」は「める」と同じ語源だという考えがあります。「はじめる」という意味で、現代でも「書き初め・お食い初め」などのことばに残っています。「手」はいろいろな慣用句に用いられる語で、「手を染める」の「手」には、体の一部としての「手」の意味はあまりないかもしれません。

上記の指摘では、「染める」は、もともとめるからきているというのです。

つまり、何かをはじめたり、行動に移すような場面に際して、この言葉を使っていたというのは納得感のある説に思われます。

他方、諸説あるなかで「藍染」が「手を染める」の語源ではないかという説があります。

「手を染める」の語源は、藍染からきているという説

藍染を行う染物屋を紺屋こうや(こんや)と古くから呼びますが、紺屋こうやで働く職人たちは素手で藍染をするために、手が青く染まってしまいます。

関連記事:紺屋(こうや・こんや)とは?

藍染職人は、仕事をしている間にしっかりと藍の液のなかで手も一緒に染めてしまうので、なかなか染料が落ちません。

そこから、一度手を染めるとなかなかそこから抜け出すことができないというような意味で「〇〇に手を染める」という使われ方が定着していった説があるようです。

今では、「悪事に手を染める」などというように悪いイメージの言葉と結びついて、使われることが多いです。

藍染職人の手はいつも青く、肌色のみの本来の手になかなか戻すことができない(青色の手から、仕事柄抜け出すことができない)という意味で、一度手を染めたらなかなか抜け出すことができないという、今の「手を染める」の使われ方にはぴったりあてはまります。


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