糸の太さや長さ、色などがそれぞれ異なるもの同士を組み合わせることによって、変わった外観や構造をもった装飾用の糸のことを、意匠糸(いしょういと)、飾り糸、ファンシーヤーン(fancy yarn)などと呼びます。
このような一風変わった糸は、組み合わせによっていろんなパターンができるので、多くの種類あります。
目次
ネップヤーン(nep yarn)
意匠糸の代表的なものの一つで、細かいつぶや節のようなものをところどころに入れた糸です。短い繊維をからみあわせることでできています。
スラブヤーン(slub yarn)
スラブとは、紡績糸の不均整な部分を意味しますが、その名前がつくだけあって、一本の糸の中に、太さが違う、膨らんだ太い部分がある糸のことをスラブヤーンといいます。
糸と糸を撚り合せることによって(撚糸)あえて不均整な部分をつくるので、撚糸スラブと呼ばれることもあります。
シュニール糸(chenille yarn)
シュニールは(chenilleは英語で毛虫の意)、綿・絹・毛などで織り、こまかい毛をたて、なめらかでつやのあるビロード状に毛羽立てた飾り糸です。
ささべり糸(笹縁糸)(gimp yarn)
笹縁(ささべり)とは、笹の葉っぱに白く細い縁(へり)があるのに似ていることから、衣服や袋物やござなどのへりを、補強や装飾の目的で、布や組紐などで細くふちどったもの意味します。
ささべり糸は細糸を芯にして、太糸を速く送り出して巻きつけ、さらに細糸を引き揃え、その回りに巻きつけたものです。
ほし糸(knop yarn)星糸
ほし糸は、ある一定の間隔ごとに、玉がついているようにみせるために撚り合せた糸のことです。
くさり糸(Diamond yarn)鎖糸
その名の通り、布地の原料である地糸を2本の細い糸で鎖状に巻いたものです。
ヒゲ糸(snarl yarn)
ささべり糸に非常に似ています。
金糸(きんし)(gold thread)
その名の通り、金箔を使った糸で、銀糸は銀箔をつかった糸です。刺繍(ししゅう)などの装飾用として使われてくました。
ループヤーン(loop yarn)
名前の如く、糸の表面にループ(輪っか)をもたせた糸です。糸の中心にある芯糸に、甘く撚られた糸を連続して絡ませることによってつくっています。
自分好みと用途にあった意匠糸を探す
意匠糸にはそれぞれに特徴があり、上記にいくつか紹介しましたが、その種類は非常に多いです。
他社がつくっていない面白い糸をということで、糸屋さんの努力によってこれまでさまざまなものが商品化されてきました。
意匠糸の用途はニットに使われることが多いですが、織物にも使われることがもちろんありますし、その他糸で加工できるものであればなんでも使用できます。
自分好みと用途にあった意匠糸を探してみるのも、おもしろいですね。