木材パルプと酢酸からつくるアセテート繊維。


レーヨンを化学的に改良したものに、アセテート繊維があります。

レーヨンの主原料である木材パルプに、合成薬品の酢酸(さくさん)を化学的に作用させてつくった半合成繊維です。

植物繊維と合成繊維の両方の性質を併せ持っているアセテート繊維の特徴は、シルクのような光沢感とやわらかい感触に加えて、染色における発色の良さなどが挙げられます。

熱を加えても燃焼時における嫌な臭いが出にくいという性質があり、タバコのフィルターに活用されています。タバコの味を変えないためには、嫌な臭いが出にくいというのは非常に重要な点です。

引っ張ったり、摩擦などの外力に対しては、比較的弱いという性質もあります。

これまでも日本での生産は少ないですが、アメリカでは衣料品に大量に使われてきました。

トリアセテート繊維

アセテート繊維よりも酢酸が多く反応したものに、トリアセテート繊維があります。

トリアセテート繊維は、アセテート繊維よりも吸湿性が低く、耐熱性に優れています。

化学繊維の種類は、アセテート繊維やトリアセテート繊維のような半合成繊維の他に、
再生繊維、合成繊維、無機繊維の3つに大きくわけることができます。

化学繊維は、1884年にフランスのシャルドンネによってはじめて人造絹糸(レーヨン)が開発されたのが始まりとされていますが、20世紀に入ると、「高分子」という概念が提唱され、化学繊維の開発にも拍車がかかりました。

1938年にはナイロン、1952年にはポリエステルと私たちに馴染みのある繊維が開発され、それからどんどんと新しい高分子素材が開発されてきました。

高分子とは、多数の原子が強い共有結合でつながってヒモ状になっている分子のことを言います。

高分子という概念が化学繊維を進歩させた

無機繊維と金属繊維以外の化学繊維は、「高分子」と呼ばれる細長い形をした分子でできています。

高分子は、ヒモのように分子が繋がっているため、低分子とは異なる形状を取るので、それによって特異な性質を発揮します。例えば、デンプンや木材、綿、ゴムなどは非常に有用な天然の高分子です。

人工的に合成される高分子は、モノマー(単量体)がたくさん連結、重合することでポリマー(多量体)になります。モノマーの連結している数を、重合度と言い、2種類以上のモノマーを重合させたコポリマー(共重合体)もたくさんあります。

天然の高分子では、タンパク質がコポリマーの典型的な例となります。

ヒモ状の高分子が、軟らかいのか、それとも硬いのか、分子の間に働く力が強いのか、それとも弱いのか、分子同士がどれほど互いに絡み合いながら規則性をかたち作っているのかなどによって、様々な性質が現れてきます。

繊維を構成する高分子は、軽くて強くて加工性がよく、力学、熱、電気、光などに対する性質、または化学薬品に対する性質など、多彩な性質を持っているのです。

天然の高分子は構造が複雑ですが、一般的な合成された高分子は、簡単な構造から組み立てられています。ただ、その合成方法によっていろんな性質を持ったものになります。


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